合同会社とはどんな会社か?

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Q6−0.合同会社とはどんな会社か?

新会社法が施行されると、新たに「合同会社」という会社が設立できるようになると聞いたのですが、「合同会社」というのはどんな会社なのですか?

合同会社とは?

はい、「合同会社」というのは、新会社法で新たに設立が認められるようになる「持分会社」の一種です。
ただし、合名会社や合資会社とは異なり、その社員(出資者のこと)は株式会社や有限会社と同様に、すべて「有限責任社員」です。

株式会社と比較すると法律の規制が緩く、比較的自由に会社の内部組織や利益配分のルールなどを決めることが出来るというメリットや、設立手続きが簡単で、費用も安いというメリットがあります。
この点は、従来の合名会社や合資会社と同様です。

つまり、合同会社とは、従来の株式会社・有限会社のメリットである「有限責任」と、合名会社・合資会社のメリットである「会社運営の自由度が高く、組織もシンプルで設立費用も安い」というメリットを、両方備えている会社組織であるということが出来ます。
なお、このような会社形態は、欧米ではすでに導入されていました。アメリカではLLC(Limited Liability Company)と呼ばれ、その数はすでに100万社にも達し、おもに金融・保険・不動産・リース業やサービス業などで活用されています。そこで、「合同会社」のことを、「日本版LLC」と呼ぶこともあります。

先生、「有限責任社員」について、もう少し詳しく説明して下さい。

○有限責任社員とは?

はい、わかりました。「有限責任社員」とは、もし仮に会社が倒産したような場合でも、自分の出資した割合でのみ責任を負い、それ以上の責任は負わない社員(出資者)のことをいいます。
合同会社の社員のほか、株式会社の株主なども有限責任社員の一種です。

一方、「有限責任社員」の反対が「無限責任社員」です。「無限責任社員」は会社が倒産したような場合には、出資した範囲に関係なく、全責任を負います。
合名会社の社員や、合資会社の無限責任社員などがこれに当たります。

すると、有限責任社員の方が、責任は軽いのですね。

例えば、Aさんという人が、Bという会社に400万円を出資していたとします。B社が倒産した場合に、もしもAさんが「有限責任社員」であるときには、Aさんは出資した400万円は諦めることになりますが、それ以上の責任は負わなくてもいいということになります。

一方、もしもAさんが「無限責任社員」であるような場合には、B社が倒産して、会社に残った財産だけでは銀行や取引先などの債権者たちに債務を返済しきれないような場合には、Aさんは自宅など、自分個人の財産を売り払ってでも、債務を返済しなければならなくなります。

わかりました。そうなると、「無限責任社員」というのは、簡単に引き受けるようなものではないわけですね。

はい。もしも友人などが経営する会社の「無限責任社員」になってくれと頼まれた場合には、よほどその友人が信用できる人間でない限り、あとでとんでもないことにもなりかねませんが、「有限責任社員」になってくれと頼まれた場合には、出資したお金がパアになる可能性はあるものの、それ以上の責任は負うことはないので、比較的引き受けやすいということになります。

もっとも、有限責任社員の場合でも、保証人になっていた場合や、共同経営者として参加していた場合には、別の責任を負う可能性はありますが。

逆に言えば、私が出資者を募る場合にも、「有限責任」の方が「無限責任」よりも、はるかに集めやすいわけですね。

その通りです。

しかし、有限責任の会社なら、これまでも株式会社や有限会社があったかと思うのですが、合名会社は株式会社と、どのように異なるのですか?

合同会社は「人的資産」を活用できる会社形態

もともと、株式会社は大企業を想定して作られた会社組織でした。また、「所有と経営の分離」と言って、会社のオーナーである株主は経営には直接タッチせず、専門知識をもった経営者が、会社の経営を行うというシステムを前提に考えられた企業形態でした。要するに、株式会社では「お金を出す人=株主」と、「実際に経営する人=経営者」が別の人間であることが前提なのですね。そこで、経営者が会社を「食い物」にして、株主らの利益を省みずに私服を肥やしてしまうような事態を防ぐために、商法などの法律でいろいろな規制を設けていたわけです。株式会社では、やれ取締役の任期が2年とか、株主総会の議決権はこうだとか、決算公告をしろだとか、とかく法律による規制が多い理由はここにあるのですね。

なるほど、でも、世の中の会社のうちのほとんどは中小企業であり、いわゆる「オーナー社長」が経営していることが多いと思うのですが。

そうなのです。実際の株式会社の90%以上は「所有と経営」が一致する、いわゆる「オーナー会社」なのです。したがって、「自分の会社のことなのに、何でこんなにも多くのことを、法律で規制されなければならないのか」と思っていた方も多かったのではないでしょうか?

確かに、法律の規制をクリアするために、形だけの取締役をそろえて人数を確保したり、やってもいない取締役会や株主総会の議事録を用意している株式会社も、多いと思います。

また、株式会社では、結局のところ、「知恵や汗を出した者よりも、お金を出したものが一番偉い」という面があることも、否定できません。

最近の企業買収合戦などを見ていますと、特にそう思いますね。株式を買い占めた人間が、実際に会社を切り盛りするために働いている人たちよりも、「一番強い」のですね。

また、合名会社では、株式会社とは異なり、「労務やノウハウ」を出資して社員となることも出来ましたし、定款の定め方によっては、そうした「お金は出さないけれど、知恵や汗を出す」人間にある程度会社の経営権を持たせたり、利益配当を出したりすることも出来ます。会社の業績に貢献した人間に、それ相応の地位や利益配当を与えやすい組織なのです。しかし、「無限責任」などがネックとなって、これまではあまり普及しなかったのですね。

確かに町中でも、「合名会社」や「合資会社」は、あまりみかけませんね。

この点、新会社法によって新たに設立する事が出来る「合同会社」では、「有限責任」でありながら、株式会社と比べれば「自分の会社のルールは、自分で決める」という「定款自治の原則」が広く認められています。

また、例えば「お金は少ししか出資しないが、知恵やノウハウを提供する」という人間に、より多くの地位や利益配当を与え、彼らのモチベーションを引き出すことも出来るわけです。

なるほど、つまり、法律による規制は少なく、でも、「有限責任」のメリットも受けられる、ということですね。

はい。そして、人材を活用しやすい会社だともいえます。
21世紀は「人の時代」と言われています。すぐれた工場設備や立派な店舗などといった「有形資産」よりも、特許やすぐれたビジネスモデルといった「無形資産」が、企業をより発展・成長させる時代になってきています。そして、こうした「無形資産」は、人間の能力や知恵、ノウハウから生み出されるものです。こうした時代に、その人間の能力や業績・貢献度に応じて、経営についての発言権や利益配当を与えることが、合同会社では可能なのです。

なるほど、それはすばらしい事ですね。ただ、名前が何となく古臭いのような気がするのですが・・・

そうですね。せっかく21世紀になって新たに発足する会社制度なのに、「合同会社」では、「合名会社・合資会社」のイメージからか、なんか最初から古臭いネーミングですね。
できれば新しい時代の新しい会社に、もっとふさわしい名前にしてほしかったのですが・・・

でも、その中身は、とても新しいものなのですね。私もひとつ、合同会社の設立を考えてみます。今日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

新会社法と合同会社-p

会社法を活用するための経営者のみなさんや起業家のみなさんの参考となれば幸いです。是非ご活用下さい。
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