新会社法への対処法

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Q 4 - d.株式会社はどうなるのか?〜新会社法への対処法〜

私は現在、株式会社を経営しています。今のところ経営は比較的順調ですが、新会社法の施行について、経営者としては今後どのような心構えで対処すればよろしいでしょうか?

そうですね、新会社法の施行によって、会社経営がどのように変わるかについては、なかなか予測が難しいのですが、ただ、今後は今まで以上に「会社の中身」が、厳しく問われるようになると考えられます。

なぜなら、新会社法が施行されると、株式会社の数がこれまでよりも飛躍的に増えることが予想されるからです。現在の有限会社のうちの相当数が「株式会社」に組織変更するでしょうし、また新規の株式会社設立も、手続きの簡素化や最低資本金制度の撤廃から、当然増えてくるでしょう。

なるほど、いわゆる「起業ブーム」が到来するかもしれませんね。

はい。そうなると、今後はひとくちに「株式会社」といっても、資本金何千億円、株主数何万人、取締役は数十人で、それぞれが外国に散らばっているといった大企業から、資本金1円、株主1名、取締役1名という会社まで、さまざなま会社が存在することになります。まさに「玉石混淆(ぎょくせきこんこう)」の状態になります。

これはすなわち、従来は「株式会社」というだけで、ある程度の信用力を保てていたものが、今後は単に「株式会社」というだけでは、まったく信用力を保つことが出来なくなることを意味します。

「株式会社ブランドの大衆化」が起きるわけですね。

新会社法施行後には、定款や登記簿の重要性が増す!

また、定款に定めることによって、取締役を1名にするなど組織を簡略化したり、株主の議決権を制限したりすることも出来るようになります。これを「定款自治の原則の拡大」というのですが、定款がまさにその会社にとっての「万能ルール」となり、今までよりも、会社の運営方法を自分たちで決めることが出来る自由度が大きくなるのですね。

なるほど、すると、今後は「ある株式会社がどのように運営されているか」は、その会社の定款なり、登記簿なりを見てみないとわからなくなるということですね。

はい、その通りなのです。今までの法律だと、「株式会社」であれば、たとえそれが形式的なものであれ、株主総会、取締役会、3名以上の取締役、代表取締役、監査役の設置が強制され、資本金は少なくとも1000万円以上は確保するものと一律に定められていたわけです。

ところが、新会社法では一転して、これらのものを「すべて自分の会社で自由に決めてください」となってしまったのでから、今後は非常にバラエティに富んだ株式会社が続々と誕生してくるでしょう。

そうなると、新会社法の施行後に、例えば私の会社が新たに他の株式会社と取引を始める場合には、その会社の定款や登記簿などを調査しておく必要性が、今までよりもさらに増してくることになるわけですね。

はい、そして、逆の立場で考えますと、社長の会社もまた、取引先や銀行などの債権者から、自社の登記簿謄本を調査されたり、「定款を見せろ」と要求される場面が、今までよりもさらに多くなってくることが予想されるわけです。それから、もちろん決算書もですよね。

なるほど、「会社の中身」が問われる機会が増えるということは、「会社の中身が書いてある書類」である定款や登記簿、決算書の内容を人に見せる機会が、これまで以上に増えてくるということですね。

はい、そうなると思います。さて、そんなときに、もし自社の登記簿が、本来しなければならないはずの役員変更の登記が放置されていたり、また、自社の定款が、長年放りっぱなしになっていて、まったく会社の現状とミスマッチになっていたらどうでしょうか?

それだけで、会社の信用にとってはマイナスになりますよね。

はい。確かに「現状は儲かっているのだからいいじゃないか」というのも、一つの考え方かもしれませんが、定款や登記簿がいい加減な状態ですと、その「儲かっているはずの決算書」の信憑性も疑われてしまうわけです。

なるほど、わかりました。人が身なりを整えないと、なかなか信用されないように、会社も形式を整えないと、信用されなくなるということですね。

新会社法施行後に、まずやるべきこと。

それでは、まずは定款について、見直していきましょうか。

はい、しかしそれが・・・実は「定款」といっても、会社設立時に登記のために使用されたまま、すっと放置されていて、正直なところ自分の会社の定款に何が書かれているか、ほとんど把握していないというのが正直なところでして・・・

いえいえ、気にしないで下さい。今まではそれが多くの会社の実情だったのです。それに、定款を作る側の我々も、文房具屋で買ってきたような雛形に、空欄をチョコチョコと書き込むだけで、どの会社も似たり寄ったりということも多かったのですから(笑)。

しかし、新会社法の施行後には、それでは通用しなくなるわけですね。

はい。今までお話させていただいたとおり、新会社法が施行されると、取締役会を置くのか、置かないのか、資本金はいくらでいくのか、会計参与は置くのか、置かないのか、発行する株式の種類はどう組み合わせるのかなど、これらのことが、すべて会社自身が決められるようになるのです。

そして、これらの事項はすべて「定款」に記載されるのです。したがって、今後は「定款」はその会社の経営者の経営方針・ポリシーが、そのまま反映されたものになります。これまでよりも、その重要性が格段に増すのですね。

なるほど、そして、選択の自由が広まるということは、経営者の力量の差が現れやすくなり、経営の責任が重くなることを意味するわけですね。新会社法を経営の「武器」にできるかどうかは、経営者次第なのですね。わかりました。今日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

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会社法を活用するための経営者のみなさんや起業家のみなさんの参考となれば幸いです。是非ご活用下さい。
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